解散から復活したうるま市石川ひまわりキッズシアターの自主公演を開催したい!

解散から復活した劇団ひまわりキッズの自主公演をしたい!
プロジェクトオーナー

兼島 拓也(石川ひまわりキッズシアター脚本・演出)

イベント 文化・芸術

107%

  • 現在
  • ¥323,000
  • 目標金額
  • ¥300,000
  • 購入口数
  • 49口
  • 残り日数
  • 終了
このプロジェクトは2017年9月26日 (火)までに、
300,000円以上集まった場合に成立となります。
選択中カテゴリー

プロジェクターのポテンシャル

2017年07月01日 20:30

脚本・演出 兼島拓也の雑記

伊波小学校での上演中、おもしろいことがありました。
それは、劇を観ている子ども達の反応です。特に、低学年の子たち。
劇中、舞台後方に投影される映像に、「ひこうき」とか「おちる」とか、ひらがなの短い単語が表示される部分があるのですが、それを、声を合わせて読み上げたのです。反射的に。一斉に。
あぁ、こういうリアクションするんだ、って、サイドから見ていて興味深かった。これは今後、なにかに使えそうだなって、なにか企みがいがあるなって思いました。
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【舞台袖から見た客席。子どもたち、真剣に観ています。かなりの暑さだったため、体育館の窓&カーテンは開けたまま上演することに。】

劇ではプロジェクターを使って映像を映しているのですが、これをやりはじめたきっかけは、演出上のアイデアというよりも、必要に駆られてのことでした。
ひまわりキッズでは、今回みたいな平和学習の一環としての公演など、学校の体育館を利用することが多いです。
でも学校の体育館って、そりゃそうだって話ですが、舞台の上演に適したカタチで設計されたものではありません。音響機材も照明機材も必要最小限の設備しかなくて、だから毎回業者の方にお願いしてセットを組んでもらいます。
でも、それでもやっぱり公共の劇場みたいに万全な設備を組むのは難しいです。これはしょうがないことですが、でもどうにか良い方法はないかなと考えていました。もっと照明とかガンガンに使った演出をしたいなって思っていたんです。
でも、それだけではまだプロジェクターの使用を思いつけません。もう一つの要素が必要でした。その要素というのは、「着替え時間の確保」です。
ひまわりキッズの舞台では、劇中にダンスシーンが何度か出てきます。ただ、わたしたちはとても少人数の劇団なため、どうしても役者の子にもダンスを踊ってもらうことになります。
役の衣装のまま踊ってもらうこともあるんですが、ここは全員揃えた方がカッコいい! って踊りもあるんです。そうなると、どっかで役者がダンスの衣装に着替える時間が必要になる。
うーん。どうしよう、、、。
客席の子どもたちって、何もない(舞台上に誰もいないor暗転状態)時間がある程度継続すると、次第にザワつきはじめます。もうこれは経験上、だいたいそうなります。たとえば音楽を流したとしても、効果は薄いです。
じゃあ子どもたちを飽きさせないために、どうにかしなきゃ。
……
……
……

そうだ、映像を流せば良いんだ!
でもどうやって?
……
……
……

そうだ、プロジェクターがあるじゃないか!
と、いうような経緯でですね、われわれはプロジェクターを取り入れはじめました。

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【ダンスシーンでは映像とダンサーの影をミックスして、不穏な感じが垣間見えるような効果を狙いました】

でもこれが、怪我の功名というか棚からぼた餅というか、「あ、プロジェクター、いろいろ使えるぞ」ってなったんですね。
映像を流せるということだけじゃなく、光や影の使い方がどんどん広がって、舞台上の世界がどんどん豊かなものになっていったんです。
たとえば、影を使った演出。前方から投影した光によって、舞台後方に役者や小道具などの影ができます。
そうすると舞台上には、実際の舞台の床の上に存在している「実物の世界」と、壁に映し出されている平面の「影の世界」、この2つの世界が出現します。
「実物の世界」では、役者が動いて台詞を発するので、どうしてもその存在感が強調されてしまいます。図と地の区別でいえば、役者が「図」で、小道具や大道具などはすべて「地」になります。
でも「影の世界」では、すべてが平面で、かつすべて同じ色をしています。そすると途端に、「実物の世界」では「地」として大人しくしていた小道具などが、急に生々しい存在感をあらわしはじめます。

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【「影の世界」では、机の存在感が強くなっているように思います(前回公演の写真)】

これに気づいたときは、わたしはとても興奮していた記憶があります。「影が面白い!」って。そのときは完全に、影にハマっていました。
だから稽古の休憩中など、子どもたちがよくそうするみたいに、わざとプロジェクターの光が当たる位置に立って、壁に映る影で遊んでいました。まったく、もう三十路手前のいい大人なのに、、、。
 
でも、まだまだこいつ(プロジェクター)にはポテンシャルが潜んでいるような気がしています。今回の公演で子どもたちが一斉に文字を読み上げたこと、ここに、なにかしらのヒントが隠れているんじゃなかろうか。
まだぜんぜん具体的なアイデアは浮かんでいませんが、どこかに鉱脈を探り当てられるように、もうちょっとプロジェクターと遊んでみたいと思います。

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【影で遊ぶ子どもたちですが、大人になっても遊びたくなるものなんです】